研究について

研究成果

深層混合処理工法による改良地盤の安定性に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0774 1994年06月
執筆者 北詰昌樹
所属 土質部 地盤改良研究室
要旨  深層混合処理工法は、原位置の軟弱粘性土に科学的安定材を添加し、原位置で強制的に攪拌混合して地盤中に強固な安定処理土を形成する工法で、地盤を短期間に固化・安定化できる利点を有しており、各地の港湾構造物の基礎や陸上での盛土・掘削工事の安定・沈下対策に広く使用されている。港湾の現行設計法では改良された地盤を一種の地中構造物と取り扱い、作用する土圧・水圧などの外力による改良地盤全体としての安定性の検討と改良地盤自身の安定性の検討を行っている。しかし、改良地盤の挙動に関しては計測された事例が少ないため不明確な点も多く、現行の設計法では改良地盤のモードや改良地盤に作用する外力などについては極力安全側となるように設定されているが、実際にどの程度安全であるかあまり明らかではなく、逆に不安感をもって見る立場もないわけではない。  そこで、改良地盤の変位挙動や作用する土圧・間隙水圧について、上部構造物が防波堤である場合を対象に遠心模型実験と有限要素法解析によって検討を行った。研究では改良体の幅と着底条件をパラメーターに、破壊モードや改良体に作用する圧力の影響を詳細に検討した。実験ならびに解析で得られた知見を現場実証試験で再確認するとともに、現行設計法で設定している破壊モードや改良体に作用する土圧・間隙水圧と比較して、改良体の外部安定に関する現行設計法の適用性について見当した。
全文 /PDF/no0774.pdf