研究について

研究成果

スペクトル形状による波群特性の変化

発行年月	港湾空港技術研究所　報告　033-02-01　1994年06月
執筆者	鈴木康正、河合弘泰、望月徳雄、松森孝弘
所属	水工部波浪研究室
要旨	海の波の波高は全くランダムというわけではなく、波高の大きな波が何波か続いて現れる。この現象を「波の連なり」という。本研究では、周波数スペクトルの尖鋭度と波群特性の関係について、数値シミュレーション、現地観測データの解析、および水理模型実験により調べた。本研究の結論は以下の通りである。１。スペクトル尖鋭度と波群特性の間には強い相関性がある。この関係は、スペクトルの種類が異なっても、台風や低気圧の通過に伴って波高や周期が変化しても、波が砕波変形しても、影響を受けない。２。沖波が発達したとき、砕波帯の外側においては高い波が静穏時よりも連続して襲来するようになるが、岸近くに到達する波のスペクトル尖鋭度や波群性は静穏なときよりもむしろ弱くなる。３。実験室に現地波浪と同じ波群特性をもつ波を再現するためには、現地波浪とスペクトル尖鋭度を合わせればよい。しかし、サーフビートの再現は困難である。
全文	/PDF/vol033-no02-01.pdf