研究について

研究成果

水中の剛な鉛直壁に作用する裏込土の地震時土圧と動水圧

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 032-04-01 1993年12月
執筆者 石橋勲、上部達生、長田信、高野剛光
所属 構造部 地震防災研究室
要旨

 水中の剛な壁に作用する裏込め土の動水圧、土圧を検討する事を目的として、2種類のシルト質砂と1種類の砂について振動実験を実施した。結果は以下の通りである。
 壁体に作用する裏込め土の間隙水による動水圧にはWe-stergaard式で与えられるもの(土の粒子の骨格の変形に関係しない、水の移動によるもの)と、ほぼ非排水状態での粒子の骨格の変形に起因するものとがあり、透水性の高い土では前者が卓越し、細粒分の多い土では後者が卓越することが確認された。水中の壁体に地震時に作用する細粒分の多い裏込め土の合力は、Wetergaard式で計算される動水圧合力のほぼ2倍の値を示し、この合力の作用点は裏込め土の高さ0。6倍の高さの位置であった。この合力の値、作用点の位置は入力地震動の振動数、あるいは裏込め土の体積圧縮係数の影響をほとんど受けない事が確認された。

全文 /PDF/vol032-no04-01.pdf