研究について

研究成果

臨海部における道路交通特性の分析-臨港道路の階層構造と交通特性-

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0763 1993年09月
執筆者 小田勝也、伊藤仁、池田秀文、岡野秀男、竹下正俊、武藤昭光
所属 計画設計基準部 計画基準研究室
要旨  港湾をはじめとする臨海部における近年の空間利用の高度化、都市化、成熟化の進展に対応するため、臨海部内および臨海部と背後地域との間の連携の中枢となる交通施設、とりわけ道路重要性は益々高まりつつある。本研究は、港湾空間における物流をはじめとする多面的な要請に対応した臨港道路を体系的に整備していく際の基礎資料を得ることを目的として、幅広く臨海部の自動車交通実態を把握した上で、臨港道路の階層構造と交通特性に関する基礎的分析を行ったものである。  本研究では、まず、運輸省が過去2回実施した臨海部道路の自動車交通の実態調査等に基づき、一般道路との比較を行いつつ、臨海部道路の交通特性分析を行った。そして、臨海部道路の12時間交通量は少なくなっているものの、それ以外のピーク率、ピーク時重方向率、大型車混入率は増大する傾向にあることなど、臨海部道路の交通特性を明らかにした。  次にこの交通特性や全国の主要な港湾の利用実態分析を踏まえ、臨港道路に関し4つのランクの階層区分(広域幹線臨港道路、基幹臨港道路、埠頭(地区)内幹線臨港道路、区画道路)を想定した。この想定を全国主要港湾から抽出した7つの港湾地区にあてはめ、臨港道路の階層区分別の交通特性の特徴をよく説明できることを実証した。分析の結果得られた臨港道路の階層構造と交通特性の主要な関係は次のとおりである。 (1)階層区分のランクが下位になるに従い、12時間交通量は減少するが、それ以外のピーク率、ピーク時重方向率、大型車混入率は増大する傾向がある。 (2)また、階層が下がり道路ネットワークの末端になるに従って、埠頭の利用などそれぞれの港湾活動の状況との密接な関連がうかがわれる。
全文 /PDF/no0763.pdf