研究について

研究成果

新しい風抗力係数の計算式の提案および係留船舶の動揺への影響の検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0760 1993年09月
執筆者 上田茂、白石悟、浅野恒平、大島弘之
所属 構造部 海洋構造研究室
要旨  本資料においては、これまで示されている、技術基準の式、船研の実験値、イシャーウッドの提案に基づく風抗力係数を比較・検討し、その結果、イシャーウッドの提案に基づいて、風向θ(シータ)をパラメータとする新しい風抗力係数の計算式を提案した。  主要な結論は以下のとおりである。 1)風抗力係数を計算する際に必要な船体諸元に関するパラメータについて検討した結果、イシャーウッドが提示している船体諸元に関するパラメータの値を用いて風抗力係数を推定しても、実用上、問題がないものと思われる。 2)標準誤差の取扱いの検討を行い、既往の風抗力係数の計算式による値を比較・検討した結果、近似式において標準誤差を+1.96SEまたは-1.96SEとして計算した値の絶対値の大きいものをとるもの(絶対値大)が適当であると判断した。 3)フェリーについて行った一点係留船舶の振れ周り計算については、風抗力係数が前後方向の動揺に及ぼす影響は小さいものの、触れ回り角度と張力に影響を及ぼし、特にCMの影響が大きいことがわかった。 4)一般貨物船およびタンカーについて行った係岸船舶の動揺については、風抗力係数がサージ、スウェイおよび防舷材の変位に及ぼす影響がみられるが、その他の成分については影響が小さいことがわかった。 5)以上の検討の結果、イシャーウッドの提案に基づいて風抗力係数の計算式を提案する。近似式においては標準誤差を考慮し、絶対値大とするものを採用する。
全文 /PDF/no0760.pdf