研究について

研究成果

台形ケーソンの洋上接合時および設置時の動揺特性について

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0754 1993年06月
執筆者 上田茂、白石悟、板生考司、内藤了二
所属 構造部 海洋構造研究室
要旨  本資料では、小名浜港において建設が進められている台形ケーソンによる防波堤の洋上接合時および設置時の動揺特性について動揺シミュレーションによって検討を行ない、運輸省第二港湾建設局で実施された水理模型実験および現地観測の結果と比較検討した。  台形ケーソンに作用する波力およびラディエーション流体力は三次元特異点分布法によって求め、これを用いて規則波中および不規則波中の動揺量を数値シミュレーションによって求めた。ただし、ラディエーション流体力から求められるロールおよびピッチの付加慣性モーメント係数および減衰定数は自由振動実験の結果に基づいて決めた。  本資料の主要な結論は以下のとおりである。 (1)台形ケーソンの動揺量の実験値と計算値とはおおむね一致した。 (2)ただし、アンダーキールクリアランスの小さい4号船溜A1断面と据付場A4断面の動揺量の一部の成分については計算値は実験値に比べて大きい。 (3)実験値および計算値に基づいて作業限界波高を求めた。作業限界波高は波周期に依存し、長周期側において小さくなる傾向がみられた。作業限界は、断面ごとに若干の相違がみられたが、A1~A3断面では、波周期10sにおいてはおおむね0.2~0.25m、波周期7sにおいておおむね0.3~0.4mである。また、A4断面では波周期10sにおいてはおおむね0.4m、波周期7sにおいてはおおむね0.8mである。 (4)現地観測の結果によれば、据付時のケーソンの動揺量はアンダーキールクリアランスが小さくなるにしたがって小さくなる傾向がみられ、計算においても同様な傾向がみられた。
全文 /PDF/no0754.pdf