研究について

研究成果

土圧を受ける重力式港湾構造物の地震時安定性に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0752 1993年06月
執筆者 風間基樹
所属 構造部 構造振動研究室
要旨  近年、港湾構造物は、大型化、大水深化が進み、それに伴って構造形式も多様化する傾向がある。地震の多い我国では、構造物の断面が地震時で決まることが多いため、大型化、大水深化する港湾構造物を経済的に建設するための、より合理的な耐震設計法が求められている。  本研究は、港湾構造物のうち土圧を受ける重力式港湾構造物を対象として、その地震応答特性及び、構造物に作用する地震時土圧を解析的、実験的に明らかにし、同構造物の地震時安定性について考察したものである。本研究の内容を要約すると以下のとおりである。 1)土圧を受ける構造物の地震時安定性に関わる既往の研究、及び遠心力載荷模型振動実験に関する既往の研究を整理した。 2)重力式構造物-周辺地盤系の地震応答解析のための剛体-地盤ばねモデルを提案し、同モデルを用いて構造物と周辺地盤の動的相互作用が剛体構造物の地震応答に及ぼす影響を明らかにした。 3)1G場においてケーソン模型を用いた模型振動実験を行い、ケーソンに作用する動的土圧の特性を検討し、地震時土圧を構造物-地盤全体系の振動現象の中でとらえることの必要性を示した。 4)遠心力場における模型振動実験手法の原理、その問題点を明らかにし、同手法をケーソン式港湾構造物の地震時安定問題に適用した。 5)現行の地震時安定計算手法の問題点を整理した。また、1G場と遠心力場の実験結果を相互比較し、ケーソンに作用する地震外力の特性を考察した。最後に、本研究の成果から重力式港湾構造物の地震外力の新しい算定法を提案した。
全文 /PDF/no0752.pdf