研究について

研究成果

鋼・コンクリートハイブリッド構造の力学特性ならびに海洋構造物への適用性に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0750 1993年06月
執筆者 横田弘
所属 計画設計基準部 設計技術研究室
要旨  海洋構造物は、鋼材あるいはコンクリートを用いて建造されてきたが、大型化、高質化、および施工の省力化が近年求められるようになっており、従来からの構造様式の延長では、優れた力学特性と経済性を満足しつつこれらの要請に応えることが難しくなりつつある。このような状況下においては、従来からの材料を合理的に組み合わせ、適材適所に配置する構造様式の開発が必要である。ハイブリッド構造は、鋼板とコンクリートを合成した構造である。コンクリートと鋼材のそれぞれの長所を生かしつつ短所を補い合う理想的な構造であり、海洋環境下において種々の利点が期待される有望な構造様式である。  しかし、ハイブリッド構造は、新しい構造様式であり、詳細な力学特性がほとんど把握されていないとともに、その設計法も十分に整備されていない。海洋構造物への適用にあたっては、構造部材の力学特性や耐久性などを十分に把握してハイブリッド構造の特長を最大限に発揮させるとともに、海洋環境の特殊性を十分に反映した設計体系を整備していく必要がある。  本論文は、ハイブリッド構造物の力学特性や劣化性状を載荷試験、暴露試験などにより明らかにし、個々の設計項目に関する設計手法を既往の鉄筋コンクリート海洋構造物の設計法と関連させつつ検討を加えるとともに、ハイブリッド構造の海洋構造物への適用性を論じたものである。
全文 /PDF/no0750.pdf