研究について

研究成果

三陸沿岸を対象とした津波数値計算システムの開発

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 032-02-01 1993年06月
執筆者 後藤智明、佐藤一央
所属 水工部 海洋エネルギー利用研究室
要旨

 三陸沿岸に関する津波対策調査の便宜をはかることを目的として、津波数値計算システムを開発した。また、津波数値計算の精度を調べるために三陸沿岸の大船渡湾、釜石湾、久慈湾および八戸湾の4つの港湾に関して、明治三陸大津波、昭和三陸大津波、十勝沖地震津波およびチリ地震津波を想定した数値シミュレーションを行った。
 開発した津波数値計算システムは、津波の非線形効果、越流を含む防波堤・防潮堤の効果および陸上遡上の効果を数値計算に組み入れたものであり、三陸沿岸の近傍で発生する近地津波および北米・南米沖で発生し、わが国に伝播してくる遠地津波の両方を対象としたものである。また、八戸湾から女川湾に至る三陸沿岸全域を200mの計算格子で表現し、調査対象港湾を50mという細密な計算格子で近似したシステムでもある。さらに、防波堤の位置ならびに計画、現況、対象津波襲来時の各地形資料が支援システムとしてデータベース化されており、津波数値計算の即時性および簡便性のための各種の工夫が施されたシステムである。

全文 /PDF/vol032-no02-01.pdf