研究について

研究成果

大水深混成式防波堤の強震記録および動水圧記録に基づく地震応答解析

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0746 1993年03月
執筆者 上部達生
所属 構造部 地震防災研究室
要旨  大水深構造物の合理的な耐震設計法の確立のために、大水深混成式防波堤で観測された強震記録、動水圧記録により大水深構造物の振動性状解析を行い、さらに、観測結果によりその地震応答計算手法の妥当性を検証した。  強震記録の解析結果によると、ケーソン天端の最大加速度応答比は1以上の値を示し、防波堤は明瞭な応答を示すことが確認された。さらに、このケーソン天端の最大加速度応答比は基礎岩盤の最大加速度の増加とともに減少した。また、ケーソン天端の基礎岩盤に対する周波数伝達関数によれば、周波数伝達関数の一次のピークを示す振動数は基礎岩盤の最大加速度の増加とともに減少した。これらの結果は、防波堤マウンド材が非線型性を有することによるものと考えられる。動水圧観測より得られたコンクリートケーソンに作用する動水圧はウェスターガード(Westergaard)の簡略公式を近似的に適用した(ケーソン天端とマウンド天端の最大加速度の平均値を重力加速度で除した値を震度として与えている)計算値よりやや小さい値を示した。等価線形化手法による有限要素法の水-構造物連成系の地震応答系計算と観測結果と比較し、計算手法の妥当性を確認した。
全文 /PDF/no0746.pdf