研究について

研究成果

液状化による矢板式岸壁の地震時被害の数値解析

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 031-05-08 1993年03月
執筆者 井合進、亀岡知弘
所属 構造部 地盤震動研究室
要旨

 本研究では、液状化が矢板式岸壁に与える影響を検討するため、矢板式岸壁の地震時拳動を有効応力解析により解析した。解析の対象とした岸壁は控え工で支持された鋼矢板式の二つの岸壁である。両岸壁は互いに近接しており、その構造断面も同様であったが、一方は著しい地震被害を受けたのに対して、他方は無被害であった。

 解析に用いた有効応力モデルは、ひずみ空間で定義された多重せん断機構に基づくものである。このモデルは、主応力軸の回転の影響をはじめとして、繰返し載荷時の砂の種々の力学的拳動を表現することができる。解析にあたって、現地から砂を採取して室内試験を行うとともに、現地で記録された地震動記録の数字化を行った。

 解析の結果、被害および無被害岸壁の実際の地震時拳動と一致する結果が得られ、これにより、本モデルの矢板岸壁に対する適用性が確認された。

全文 /PDF/vol031-no05-08.pdf