研究について

研究成果

越波時における防波堤上の人の転倒に関する研究-親水性港湾構造物に関する水工学的研究(第2報)-

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 031-04-01 1992年12月
執筆者 高橋重雄、遠藤仁彦、室善一朗
所属 水工部 耐波研究室
要旨  本報告は、越波時における防波堤上の人の安全性について検討したものである。対象とした危険は、越波水による人の転倒であり、実際の人を用いて実スケールの流れを水槽内で再現して行った実物実験を実施した。また、流れ中の人の転倒を判定する「転倒モデル」を構築して、越波条件と人の転倒を定量的に検討した。主要な結果は、以下のとおりである。 (1)人は越波水によって転倒する場合には、力学的なメカニズムから、「滑り型転倒」「倒れ込み型転倒」に分けて考えることができ、滑り型と倒れ込み型をモデル化し、実験と転倒限界が一致した。 (2)流れのなかの人に作用する力は、流速の二乗に比例する抗力として考えることができる。足の間隔がない場合には人の向きによらず、抗力係数がほぼ1.1となった。 (6)転倒限界時の防波堤前面における打ち上げ高さ50cmを基準値として考えることができる。
全文 /PDF/vol031-no04-01.pdf