研究について
研究成果
根入れ鋼板セル式構造物の基本設計の自動化と二,三の考察
発行年月 | 港湾空港技術研究所 資料 0737 1992年06月 |
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執筆者 | 森田博史、中道正人、口田登 |
所属 | 計画設計基準部 設計技術研究室 |
要旨 | 港湾構造物の設計の自動化の一環として、根入れ鋼板セル式構造物の基本設計プログラムの開発を行ったので、ここに報告する。 根入れ鋼板セルとは、従来からある置き鋼板セルを改良したものであり、予め大径の円筒体に加工した鋼板セルを、バイブロハンマー等を用いて現地盤に一気に打ち込み根入れをし、中詰めを行った後、同様の構造物を隣接して設け、それぞれの間を鋼材などで連結することにより埋立護岸、岸壁等を造る工法である。 本自動設計システムは、(1)日本語対話式データ作成プログラム、(2)基本設計プログラム、(3)ファイル変換プログラム、(4)図化プログラムの4つの独立したプログラムにより構成した。これらのプログラムが入力データや計算結果を受け渡すことにより全システムとして機能する。 本自動設計システムの特長としては、次の通りである。 イ。入力データを日本語会話方式により作成できる。また、支持力の検討、全体円形すべりの検討結果をグラフィック・ディスプレイ上に描画できる。 ロ。セル断面の諸元(根入れ長、直径、ピッチなど)を与えて安定計算を行い、安全率を算出できる。 ハ。ある特定の根入れ長と初期のセルの配置形状を与えた時に、セルの直径を変化させながら、所定の安全率を満足するセル径を根入れ長ごとに算出することができる。 ニ。求めたセル断面に対して単位長さあたりの概算鋼重量が算出できる。 本システムを用いて、根入れ鋼板セルの設計条件について検討した結果、次のことがわかった。 イ。根入れ鋼板セルの断面決定要因は、根入れ長が長くなるにつれて、滑動→変位→せん断変形へと変化する。この決定要因変化の過程は、設計水深、設計震度による影響は見られないが、現地盤の内部摩擦角を増やすと根入れ長の比較的短い場合において、決定要因に若干の変化がみられる。 ロ。設計震度の変化がセル径に与える影響は、各根入れ長で一定ではなく、根入れ長が短い程大きく、ある長さになると全く影響を与えなくなり、設計震度の違いによるセル径の違いが見られなくなる。 ハ。セル径や概算鋼重量を減らす土層条件としては、現地盤の内部摩擦角を増やすほかに裏込めの内部摩擦角を増すのもそれなりの効果のある事が確認できた。 |
全文 |
/PDF/no0737.pdf
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