研究について

研究成果

多点係留ブイバースにおける係留張力と船舶の運動に関する模型実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0735 1992年06月
執筆者 平石哲也、高山知司
所属 水工部 波浪研究室
要旨 岩手県久慈港に建設中の国家地下石油備蓄基地の原油受け払い施設として、基地の沖合い2kmの水深24mの地点に、10万トンクラスの大型タンカー係留用の多点係留ブイバースが計画されている。久慈多点係留ブイバースは、6個のカテナリー係船ブイでタンカーを係留するものであり、設計に当たっては次の2つの課題に関する検討が重要である:(1)暴風時および津波作用時におけるブイ単体の挙動とブイ係留張力の特性:(2)タンカー係船時における船体運動と係船張力の特性。本研究は、模型実験によって上記の2課題を検討したものである。得られた主な結論は以下の通りである: (1)暴風時、高波浪がブイ単体に作用したときには、大きな衝撃張力が発生する。衝撃張力の最大値は、(波高)2と周期の積で表されるエネルギー密度と密接な関係がある。 (2)タンカー係留時のホーサー張力は、風と波の漂流力によってほとんど決定され、船腹方向から風が作用する場合に最も張力が大きくなる。船体の水平運動も、ほとんど風速と風向だけで定まり、風速125m/sの場合には重心の最大移動量が35m程度になる。
全文 /PDF/no0735.pdf