研究について

研究成果

ゆるい砂地盤における地震時の間隙水圧の観測と解析

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0718 1991年12月
執筆者 井合進、倉田栄一
所属 構造部 地盤震動研究室
要旨

 地震時の砂質地盤の液状化の予測のための研究は種々行われてきたが、これらは室内試験ないしは噴砂など原位置でのマクロな現象に基づくものであり、液状化の過程における地盤の挙動を原位置において計器観測した例は極めて限られている。報告書では、川崎港の東扇島地区において実施している観測で得られた結果のうち、1987年に千葉県東方沖で発生したマグニチュード6.7の地震における観測結果とその解析結果を報告する。
 本地震では水頭にして約40cm、有効上載圧力の5%に相当する過剰間隙水圧の上昇が観測された。この時の地盤最大化速度は93Galであった。観測地点は、岸壁建設のため粘性土を山砂に置換えた場所で、砂の液状化特性については地盤凍結サンプリング等を実施し詳細な検討を行った。この結果をもとに、一次元の有効応力解析を実施した結果、実測値に相当する水圧の上昇が計算され、解析法の適用性に関する一つの見通しが得られた。

全文 /PDF/no0718.pdf