研究について

研究成果

繰り返し載荷を受ける粘土の強度・変形特性

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 030-04-03 1991年12月
執筆者 山﨑浩之、善功企、加賀谷宏基、舘下徹
所属 土質部 動土質研究室
要旨

本研究では、繰り返し載荷を受けた場合の粘土の変形係数の低下特性、および静的強度の低下特性を乱さない海成粘土を用いて室内実験により調べている。
 また種々の繰り返し荷重に対する変形係数の低下を予測するための方法を2種類提案した。一つは繰り返し載荷試験の結果を利用する方法(SN曲線法)で、もう一つは静的強度と塑性指数のみから予測する方法(塑性指数法)である。さらに、提案した方法を、繰り返し荷重が変化する場合の予測法にまで拡張した。
 得られた主な結論は、以下のとおりである。
1。繰り返し荷重に対して、変形係数は初期の変形係数の1割まで低下するが、静的強度は7割程度までしか低下せず、繰り返し載荷に対しては変形係数の方が敏感に変化することが示された。
2。繰り返し載荷中の両振幅ひずみ2%は、繰り返し載荷中のひずみ急増中で、さらに静的強度の低下も生じるThreshold strainであることが示された。
3。繰り返し載荷を受ける粘土の変形係数の予測法は、現地の地盤の安定問題へ適用可能であることが示された。
4。粘土地盤が、波浪による繰り返し載荷を受ける場合の安定性の検討法について、具体的な方法を示した。

全文 /PDF/vol030-no04-03.pdf