研究について

研究成果

外力算定のための船舶諸元およびマスト高の解析

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0714 1991年06月
執筆者 浜田賢二、松本英雄、黒田祐一、早藤能伸
所属 計画設計基準部 システム研究室
要旨

 港湾技術研究所では安全かつ合理的な港湾の整備に必要な船舶諸元の統計解析を船種、寸法、デザインの時代的変化に伴って1970年より概ね10年毎に実施している。今回の調査は種々の船舶諸元のうち、船舶に作用する風力、潮流力等の算定に必要な船舶の各種投影面積、浸水表面積、ぎ装数、水路を横断する橋梁等に必要な船舶の水面場マスト高等に関する調査をとりまとめたものである。
 対象船種は専用船化の進行等を考慮して旅客船、カーフェリー、一般貨物船、石油タンカー、フルコンテナ船、撤積運搬船、ガス運搬船、自動車専用船の8種類とした。
 調査結果を前回の調査結果(1979年実施)と比較し要約すると以下のようになる。
 1)船舶の各種投影面積、浸水表面積、ぎ装数、排水量は回帰分析および統計的検定(有意水準0.01)の結果、総トン数または重量トン数の指数関数として表示することが可能である。
 2)今回の調査範囲では水面場マスト高に関しても上記1)のように総トン数または重量トン数との対応付けは可能であったが、マスト高は一定の上限値のようなものが存在する傾向がみられる。
 3)今回の調査結果と前回のそれについて回帰曲線の周りでの分散を用いた統計的検定を行った結果(有意水準0.10)、多くの線種および調査項目について有意な船型の変化が認められた。
 4)旅客船、カーフェリー、フルコンテナ船および撤積運搬船については大型化の傾向が顕著である。

全文 /PDF/no0714.pdf