研究について

研究成果

現場締固め再現装置の試作と2、3の実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0711 1991年06月
執筆者 八谷好高、上中正志、深海正彦、佐藤勝久
所属 土質部 滑走路研究室
要旨

 本資料は、今回試作した現場施工機械による締固めを室内で再現できる装置(現場締固め再現装置)を用いた転圧試験の、現場の転圧状況に対する再現性について検証したものである。
 広大な用地を都市周辺の平坦な地域に求めることが困難になってきている近年は、空港を起状に富んだ山岳地に建設することが多くなっている。この空港建設にともなう地盤の造成を効率よく行うためには、土質に適した工夫、特に、転圧工法を選定することが肝要である。実際の施工機械による土の締固め機構にはいまだに不明確な点が多い現状では、試験盛土を製作して実規模転圧試験を行ってから転圧工法を選定するのが一般的である。しかし、この実規模転圧試験には、膨大な経費ならびに時間を要するということのほかに、気象条件などの試験条件を一定に保つことが困難であるといった問題点がある。
 このようなことを背景として、今回開発した現場締固め再現装置は、縦130cm、横90cm、高さ90cmの土層を使用して転圧試験を行うことができるものである。現場の施工状態として3種類、すなわち、タイヤローラー、マカダムローラー、振動ローラーによるものが再現可能である。この装置による室内転圧試験を2,3行って、山形県庄内空港で実施した現場転圧試験の結果と比較した。対象土が砂質土だけで、また、試験個数も多いとはいえないが、今回開発した現場締固め再現装置の有効性は確認できたものと考えられる。

全文 /PDF/no0711.pdf