研究について

研究成果

空港コンクリート舗装の目地・ひびわれ部の挙動-荷重伝達機能と版厚算定法への反映-

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0710 1991年06月
執筆者 八谷好高、上中正志
所属 土質部 滑走路研究室
要旨

 本資料は、従来より取り組んできた空港コンクリート舗装の目地・ひびわれ部の荷重伝達についての研究成果をまとめたものである。現行の空港コンクリート舗装の構造設計法では、目地や連続鉄筋コンクリート舗装(CRCP)のひびわれで十分な荷重伝達がなされているものとみなしている。
 これは、目地には何らかの荷重伝達装置が設けられていること、また、CRCPのひびわれではその幅が狭いため骨材のかみ合わせが期待できるということに基づいている。
 この点について検証すべく、供用中の空港コンクリート舗装における目地とひびわれ部の荷重伝達機能を、FWD等の非破壊試験機により測定した。特に、ひびわれ部においては、航空機荷重の繰り返し載荷によって荷重伝達機能の低下することが懸念されたので、試験舗装に対する載荷試験を行って、その点について検証した。
 荷重伝達機能に関して得られた成果をコンクリート版厚の算定法に取り組む方策についても検討した。これは、コンクリート版中央部に航空機の1脚が載った場合に生ずる応力を算定し、適切な安全率を考慮して版厚を決定するという現行の設計法では、この点を直接的には考慮できないからである。ここでは、温度変化によりコンクリート版に作用する応力、目地やひびわれ部での荷重応力、疲労破壊といった点について検討を加えて、新しい空港コンクリート舗装の版厚算定法について考察した。そして、この方法による版厚と、現行の版厚設計法や道路舗装の設計法によるものとの比較検討を行っている。

全文 /PDF/no0710.pdf