研究について

研究成果

起重機船の動揺特性と稼働条件

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0709 1991年06月
執筆者 上田茂、樋口豊志
所属 構造部 海洋構造研究室
要旨

 大水深海域における海上起重作業における起重機船の稼動特性、起重機船の作業限界の把握に資する目的で、起重機船の現地動揺実態観測、模型実験ならびに数値シミュレーションを行って起重機船の動揺特性を把握した。
 現地動揺実態観測は和歌山港、門司港から熊本港の海上、熊本港ならびに相馬港において実施した。和歌山港において3,000トン吊りの大型起重機船の、ケーソン吊り上げ時、曳航時、ケーソン据付時の動揺を測定し、大型起重機船の作業時の動揺特性、波および風の作用による動揺特性を解析した。また、相馬港においては125トン吊りの小型起重機船のブロック据付時の同様を測定した。
 模型実験は3,00トン吊りの起重機船の1/50のモデルを用い、港湾技術研究所の平面水槽で行ったが、大型起重機船および中型起重機船を想定して張ろう条件を変え、波周期、波高および波向などの波浪条件と、起重機船の動揺および動揺周期、係留力、ならびに出荷の動揺および吊荷張力の増減率との関係を求めた。
 数値シミュレーションにおていは起重機船と吊荷との連成を考慮したプログラムを作成し、数値シミュレーションを行いその結果と模型実験結果および現地観測結果とを比較した。
 さらに、起重機船および吊荷の許容動揺量を仮定して、数値シミュレーションの結果に基づいて起重機船の稼動限界の波浪条件を求めた。

全文 /PDF/no0709.pdf