研究について
研究成果
統計モデルを用いた波浪予測手法の適用性に関する検討
発行年月 | 港湾空港技術研究所 資料 0673 1990年06月 |
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執筆者 | 小舟浩治、橋本典明、亀山豊 |
所属 | 海洋水理部 海象調査研究室 |
要旨 | 港湾工事や荷役の安全確保、最適な施工管理あるいは航行船舶の安全確保などのためには的確な波浪予測が不可欠である。本資料では、より妥当な統計モデルを用いた波浪予測手法を開発し、実用かするために、特に取り扱いが簡便と思われる重回帰式を用いた波浪予測手法、分割表を用いた波浪予測手法、多変量自己回帰式を用いた波浪予測手法の3方法を対象として、それぞれの手法の推定精度や適用性、問題点等を検討することにより、将来の統計モデルを用いた実用的波浪予測手法の開発のための基礎資料を提示した。 本研究で得られた主要な結論は以下のとおりである。 1)重回帰式を用いた波浪予測手法は、その適用対象、目的によっては、ある程度の誤差範囲内で有効な情報を提供し得る。 2)分割表を用いた波浪予測手法は回帰式を用いる波浪予測手法と異なり、有義波高の値そのものは推定できない。しかしながら、ある気象条件下での港湾工事等の作業玄界波高以上の波高が生起する確率、あるいはそれ以下の波高が生起する確率等が過去のデータに基づいて与えられるため、何らかの判断を下さなければならないような状況においては、貴重な情報源になり得る。 3)多変量自己回帰式を用いた波浪予測手法は、重回帰式を用いる方法に比べて、物理的な意味においてやや妥当な方法である。本方法により、気圧の時系列データを与えるべき測点の数を重回帰式の場合に比べて大幅に減らすことができ、かつ同程度の予測制度で波高を推定し得る。 |
全文 |
/PDF/no0673.pdf
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