研究について

研究成果

大口径鋼管杭に関する試験と解析

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0660 1989年12月
執筆者 高橋邦夫
所属 土質部 基礎工研究室
要旨

 Y港において、詳細な地盤調査を含め、鋼管杭について総合的な試験を行なった。長さ49mで直径600mmの杭1本と直径1117.6mmの杭2本を中心にした打撃応力測定、鉛直載荷試験、引抜き試験、および水載荷試験である。杭には密にひずみ計が取付けてあり、各種の杭応力を測定した。解析の結果、次のようなことがわかった。
1)波動理論による動的解析であるSmithの方法を使って予測した貫入量や杭頭の打撃応力度は、実測の動的挙動と比べて合理的なものであった。
2)各種動的支持力式により計算される値は、実測値に比べて4~9割大きかった。
3)周面摩擦力と先端の地盤強度は一般の設計に用いられている方法によりほぼ推定できるが、直径1.1mの杭の先端抵抗は、閉塞が不十分なために非常に小さかった。
4)杭の水平抵抗に対する捨石層の寄与は非常に小さく、N値にして1~3の値が逆算された。

全文 /PDF/no0660.pdf