研究について

研究成果

離岸堤を備えた人工海浜の地形特性

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0659 1989年09月
執筆者 栗山善昭、加藤一正、入江功
所属 水工部 漂砂研究室
要旨

 人工海浜設計の際の参考資料を得ることを目的として、自然条件の異なる5つの人工海浜の深浅図などを収集、解析し、離岸堤を備えた人工海浜の平面形状特性、断面形状特性を論じた。解析対象海岸は、太平洋に面している和歌山県の和歌山下津港片男波海岸、瀬戸内海に面している兵庫県の神戸港須磨海岸、大分県の別府港的が浜海岸、日本海に面している新潟県の柏崎港鯨波海岸、福井県の和田港鯉川海岸である。
(1)副堤(長い離岸堤間の開口部に建設された短い離岸堤)建設、あるいは離岸堤延長によって汀線の計画位置からの後退量が小さくなった。ただし、副堤建設以前、離岸堤延長以前でも養浜砂の残存率は70%以上であった。
(2)開口部背後での前浜勾配は、離岸堤背後の前浜勾配に比べて大きかった。また、前浜勾配の推定値と実測値との比較によって、既往の前浜勾配の推定式の適用性が明らかとなった。
(3)開口部背後における後浜高さは、須磨海岸の場合を除いて離岸堤背後の値に比べて0.3~1.0m高かった。また、波の遡上高さの推定値と後浜高さの実測値との比較によって、既往の後浜高さの推定式の適用性が明らかとなった。

全文 /PDF/no0659.pdf