研究について

研究成果

港湾における橋梁の劣化実態と塗装仕様の検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0651 1989年06月
執筆者 寺内潔
所属 設計基準部 自動設計研究室
要旨

 港湾分野で架設される橋梁は、他の地域に架設されるものと比較して環境条件が非常に厳しく劣化の進行も早いと考えられる。しかしながら、それらについて今まで十分な追跡調査が実施されたことがない。
 今後港湾で整備される橋梁も次第に規模が大きくなる傾向にあり、さらに、その数も増大してくるものと考えられ整備技術向上のためにも臨海部における橋梁に主眼を置いた耐久性の検討を加えておくことが急務といえる。そこで、港湾分野で架設された既往の橋梁を対象に劣化状況について全国実態調査を行い、分析を行った。その結果アンケートの回収率は78%であったが、鋼橋106、コンクリート橋257施設の劣化状況が把握できた。最も異常率が高かったものは、鋼橋では上部工本体の30%、コンクリート橋では表面舗装の21%であった。本資料では主に鋼橋の耐久性について考察を行ったが、実態調査とは別に鋼橋の耐久性を左右するといわれる塗料についてその特性を調べ、臨海部に適した塗装仕様および塗料規格の提案を行った。
 また、近年採用が増えつつある耐候性鋼材による橋梁の臨海部における実態と適用性について若干の考察を行った。

全文 /PDF/no0651.pdf