研究について

研究成果

高温再圧密による海成粘土の年代効果の再現

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 028-01-04 1989年03月
執筆者 土田孝、小林正樹、水上純一、田中政典
所属 土質部 主任研究官
要旨

 本研究は自然地盤の年代効果が粘性土の力学特性に及ぼす影響について調べたものである。港湾地域の海域粘土を用いた一連の室内試験の結果、次のような結論を得た。
(1)自然粘土の年代効果を表わす指標として、標準圧密試験の結果から求められる圧縮指数比reが有効であると考えられる。わが国の海域沖積粘土のreは1。0~3。0であり、年代効果による構造が顕著に見られるとされているカナダ東部の粘土に比べると小さい。
(2)75°Cの高温でスラリーから再圧密した粘土試料の力学特性は年代効果をもつと考えられる自然粘土の挙動に近いことが圧密試験、一軸圧縮試験、三軸試験の結果から確かめられた。このことから、高温で再圧密することは、年代効果を実験室で比較的用意に再現する手段として有効である。

全文 /PDF/vol028-no01-04.pdf