研究について

研究成果

空港舗装の路面性状の実態

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0634 1988年12月
執筆者 八谷好高
所属 土質部 主任研究官
要旨

 空港舗装の供用性や破損の将来予測方法を開発するための第一ステップとして、空港舗装の路面性状の現状について取りまとめるとともに、路面性状の経年変化について検討した。データとしては、ここで開発した空港舗装データバンクシステムにより管理されているわが国の空港舗装に関するもののほかに、米国の空港についてのものも使用した。
 主要な結論をまとめれば以下のようになる。
1)わが国の空港舗装はアスファルト舗装、コンクリート舗装とも、現状では全体的に良好な路面性状を有している。米国の空港舗装も良好であるが、アルファルト舗装に比べ、コンクリート舗装は最高の状態から破壊の状態まで広く分散している。
2)アルファルト舗装、コンクリート舗装とも破損としてはクラックの発生する危険性が最も大きいが、コンクリート舗装では目地での破損も見られ る。アスファルト舗装の破損は自然環境の作用によるものが多いと考えられるが、コンクリート舗装では複雑な原因により破損が生ずる。
3)路面性状の経年変化(低下)の割合は、コンクリート舗装上のアルファルトかさ上げ舗装で最も著しく、次にアルファルト舗装またはアルファルト舗装上のアルファルトかさ上げ舗装となっている。コンクリート舗装は最も小さいようである。
4)各種要因が路面性状の経年変化に及ぼす影響をみれば、表層厚の違いでは薄いほうが、自然環境の違いでは北部のほうが、そして滑走路内の位置では端部のほうが、それぞれ変化速度は大きいものとなっている。
5)わが国と米国のそれぞれで採用されているPRIとPCIによる路面性状評価法は相関性がいいものの、前者のほうがかなり厳しい評価となっている。また、PRIは施設別に基準値が決められているので、エプロンや誘導路に比べて滑走路に対する評価がより厳しいものとなっている。

全文 /PDF/no0634.pdf