研究について

研究成果

密度流を考慮した海水交換に関する水理模型実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0625 1988年06月
執筆者 村上和男、白井正生
所属 海洋水理部 海水汚染水理研究室
要旨

 本報告は、水理模型実験手法を用いて、密度流効果を考慮した海水交換に関する検討を行ったものである。
 閉鎖性内湾域の海水交換の要因として、密度流による鉛直循環流、潮汐残差流による水平循環流、および潮流乱れによる乱流拡散などの効果が大きいものと考えられる。このような内湾域に建設される港湾構造物の海水交換へ及ぼす影響を把握する手段として、水理模型実験、あるいは、数値シミュレーションが最も一般的である。
 本研究では、海水と淡水により密度差を与えて、密度流を考慮した海水交換の水理模型実験を実施し、従来の密度差を考慮しない実験結果との比較を行うとともに、密度差を考慮することによって、構造物の海水交換へ及ぼす影響の変化について検討した。
 これらの検討結果を通して、海水交換現象に及ぼす水平循環流および鉛直循環流の重要性について述べ、さらに密度流の卓越している海域に対しては密度流を考慮した実験の必要性を指摘するとともに、閉鎖性内湾域の海水交換のメカニズムについて考察した。

全文 /PDF/no0625.pdf