研究について

研究成果

鋼・コンクリート合成部材での形鋼によるずれ止めの耐荷力

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0595 1987年09月
執筆者 横田弘、清宮理
所属 構造部 沈埋構造研究室
要旨

 合成部材における形鋼によるずれ止めの力学特性を把握し、耐荷力の設計式を求めるために、押し抜き試験を実施した。押し抜き試験用の試験体は、H鋼(H-250×250×9×14)の両側にコンクリートブロック(600(H)×250(W)×250(L)mm)を取り付けた構造である。H形鋼とコンクリートブロックは、ずれ止めのみによって連結し、ずれ止めは、連続すみ肉溶接で取り付けた。
 ずれ止めに用いた形鋼は、市販の標準断面の山形鋼、みぞ形鋼およびH形鋼を1/2に切断したT形鋼である。今回の試験では、ずれ止めの耐荷力を決定する要因として、①ずれ止めの形状・断面諸量、②ずれ止めの取り付け方向、③コンクリート強度、および④コンクリート打設方向を取り上げた。全試験体数は58体であった。
 破壊形式は、ずれ止めの破断、コンクリートのせん断破壊およびコンクリートの圧縮破壊の3種類に分類できた。このうち、山形鋼はコンクリートのせん断破壊が、T形鋼とみぞ形鋼はコンクリートの圧縮破壊が主であった。
 ずれ止めの耐荷力に関して、各形鋼間で有意な差異は認められなかった。しかし、同一重量のずれ止めを用いた場合には、ずれ止めのウエブ高さと肉厚との比が10以下のもので大きな耐荷力が得られた。また、今回の試験に用いた形鋼によるずれ止めの耐荷力は、形鋼の肉厚、幅およびコンクリート圧縮強度の関数で求めることができた。

全文 /PDF/no0595.pdf