研究について

研究成果

桟橋に用いられた鋼管杭の腐食状況と残存強度

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0593 1987年09月
執筆者 清宮理、千葉照男、横田弘、阿部正美
所属 構造部 沈埋構造研究室
要旨

 腐食した鋼管杭の補修工法の設計・施工を実施する際、事前に鋼管杭の腐食状況と残存強度との関係を把握しておく必要がある。建設後20数年経た桟橋に用いられた27本の鋼管杭を対象に腐食状況を超音波厚み計及び光マイクロ測定器を用いて調べた。この結果、L.W.L.付近では腐食が著しく進行しており板厚が薄くなるだけでなく鋼管表面の凹凸も大きいことが判明した。腐食した鋼管杭より切り出した試験片を用い引張り試験を行った所、鋼材の強度、伸びとも現在のJIS規格を満足していた。また鋼管杭を輪切りにした試験片(リング)による曲げ試験の結果によると腐食鋼管杭の剛性(EI)は、平均残存板厚によって評価して良いことが判明した。
 スタッドジベルの腐食鋼管杭への溶接性を引張り試験および曲げ試験により調べた所、溶接部の板厚の2倍以下の軸径のスタッドジベルの場合、溶接部で破断せず、スタッドジベル本体で破壊した。

全文 /PDF/no0593.pdf