研究について

研究成果

電磁波照射による花崗岩内部の温度分布と破砕効果予測法の開発

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0558 1986年09月
執筆者 高橋英俊、石原弘一、梅谷登志文、篠原丈人
所属 機材部 特殊作業船開発室
要旨

電磁波砕岩における岩石の加熱特性、破砕特性及び強度低下について、照射電力50kW~350kWまでの砕岩実験によってデータが蓄積されている。しかし、電磁波砕岩の実用化には、さらに高出力の電磁波破砕機が必要と考えられており、そのときの砕岩能力及び砕岩単価の予測と経済性の評価が必要である。これには、電磁波破砕機の最大照射電力が今のところ400kWと限られているため、シミュレーションによって予測する方法を採らざるをえない。電磁波砕岩における破砕原理は、電磁波の加熱作用によって生じる温度上昇に起因する熱ひずみから発生する熱応力によるものと考えられている。しかし、熱応力による破砕過程のシミュレーションは、岩盤が非均質なものであり、またその物性値(電磁気的、熱的、機械的特性値)が、電磁波の照射電力及び周波数、岩盤の場所、温度及び含水率等で変化することから、実際の破砕過程を再現することが非常に困難であることが明らかになった。そこで電磁波砕岩における破砕効果予測法として、電磁波照射による温度上昇のシミュレーションプログラムを開発し、これによって温度分布を予測し、実測した電磁波照射後の岩盤強度の低下と温度上昇との関係から一定の強度以下になる体積を求めては破砕量として評価する方法を開発した。

全文 /PDF/no0558.pdf