研究について

研究成果

一点係留ブイの運動と係船索張力に関する現地観測

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0542 1985年12月
執筆者 高山知司、平石哲也、古川正美、佐尾邦久、立野信一郎
所属 海洋水理部 波浪研究室
要旨

むつ小川原石油備蓄基地のタンカー係留施設として、水深45mの地点に設置されているSALM型一点係留ブイを用いて、昭和58年9月から59年8月にわたって、ブイの傾斜角および係船索張力を観測した。観測値および海気象データを用いて解析した結果では、ブイの運動には周期が5~20分の長周期運動成分と20秒以下の短周期運動成分が含まれていることがわかった。前者はタンカーの長周期平面運動によって生じており、後者は波による運動とブイの固有振動による共振運動から生じている。また、係船索張力は風速が10m/s以上の場合には、風と潮流によるタンカーの長周期運動によるものが支配的になった。係留船舶の平面運動を解析する数値シミュレーションを行った結果では、流圧力係数の値を0.3とした場合に、計算で求めた最大係船索張力は観測値とよく一致した。しかし、係船索張力の変動周期については、計算値が観測値の20%の範囲になった。

全文 /PDF/no0542.pdf