研究について

研究成果

二成層海域における吹送流の乱流特性と界面での混合についての実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0541 1985年12月
執筆者 中野晋、鶴谷広一、一戸秀久
所属 海洋水理部 水理研究室
要旨

 開かれた海域で二成層化している場合に生じた吹送流について実験を行い、その乱流特性と界面での混合について検討した。実験は反流を抑制できる風洞水路(幅60cm、高さ85cm、長さ22m)の中に、塩水槽(幅20cm、高さ20cm、長さ8m)を設置して淡水と塩水の二層を作り、その水面上に風を作用させて行った。
 X型の2成分熱膜流速計と塩分濃度計を中心間隔5。5mmに近づけて、ほぼ同一点で流速と密度の測定をした。
 測定結果から、水面近くの乱れに含まれる波動成分の変動強度が微小振幅波理論で計算されるものと一致すること、乱れ強度等の吹送流の乱流特性が水面近傍を除くとほぼ管路流の乱流特性と一致すること、過動粘性係数や過動拡散係数は安定度が高くなるにともない、急激に減少し、こうした特性が海洋での温度躍層に対するMunk and Andersonのモデルでおおむね説明できること等が明らかとなった。

全文 /PDF/no0541.pdf