研究について

研究成果

流れの乱れに及ぼす風と波の効果

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 023-04-01 1984年12月
執筆者 鶴谷広一、寺川博也、松延嘉國
所属 海洋水理部 水理研究室
要旨

風の剪断力あるいは波が作用したときの流れの乱流構造の変化と拡散について、風洞水路を用いて検討した。流れの乱れはV型のホットフィルム流速計でx、z成分を同時に測定した。波を消した実験により、水面上に風が吹くと、その剪断力の作用によって水面付近では乱れ強度と拡散係数がかなり大きくなることがわかった。しかし、さらに下方の流れの中心付近では乱れも拡散係数も流れのみに比べ小さくなる。これは逆流における流速分布の変化から説明できることが示された。逆流上を波が進行する場合については、規則波と不規則波が用いられ、波高の減衰、スペクトルの変化、乱れの変化等が実験的に検討された。また、中立粒子を用いて拡散実験を行い、逆流の条件では波形勾配が大きくなると、流れ方向の拡散係数が大きくなり、鉛直方向の拡散係数はほとんど変化しないことが示された。

全文 /PDF/vol023-no04-01.pdf