研究について

研究成果

水中の剛構造物の地震時滑動と動水圧の実験的研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 023-03-05 1984年09月
執筆者 上部達生、桧垣典弘
所属 構造部 地震防災研究室
要旨

水中の剛体の地震時における滑動挙動を検討するために、振動箱内の水中に置いたモルタル製剛体模型の振動実験を実施した。この振動実験によれば、剛体模型の加速度および動水圧は挙動を開始するとほぼ瞬間的に減少し、滑動中はほぼ一定値をとるような波形を示した。水中の剛体模型の片面に作用する動水圧の2倍を重力加速度で除した値に等しい付加質量を考慮して振動実験の結果より静摩擦係数を求めた。これらの値はオイラーの方法による摩擦係数測定実験の結果と近い値を示した。このことから、水中の剛体の地震時の滑動を検討するには、剛体に作用する動水圧を重力加速度で除した値に相当する付加質量を考慮すればよいものと考えられる。以上の結果より、剛体がのっている基礎の水平、上下加速度より剛体の地震時滑動変位量を計算する手法を示し、振動実験結果との比較検討からこの計算手法がほぼ妥当な結果を与えることを確認した。

全文 /PDF/vol023-no03-05.pdf