研究について

研究成果

反射定常波による多段沿岸砂州の形成

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 023-03-01 1984年09月
執筆者 加藤一正
所属 水工部 高潮津波研究室
要旨

長周期波と沿岸のリズミック地形に関する従来の考え方は仮説的であると言われている。本論文では、それに納得いく説明を与えるために、二次元的な地形である多段の沿岸砂州の成因について、理論解析、現地データ解析を行った。理論解析では、反射定常波と入射波を底質移動の外力として考慮した。その結果、多段砂州は、入射波によって浮遊した砂が長周期の反射定常波の質量輸送によって、定常波の腹の位置に運ばれて形成されると説明された。さらに、石川県羽昨海岸の多段沿岸砂州を調べたところ、定常波の腹の位置に砂州が存在していることが確認された。また、海底勾配と長周期波の波高によって規定される砕波限界周波数の反射定常波が重要な役割を果たしていることが示された。

全文 /PDF/vol023-no03-01.pdf