研究について

研究成果

海域底泥中のリンの挙動モデルについて

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 023-02-03 1984年06月
執筆者 堀江毅、細川恭史
所属 海洋水理部 主任研究官
要旨

海域における有機物の内部生産と関連の深い底泥中のリンの挙動に対する数値モデルを開発した。このモデルにおいて、燐酸態リンの溶出は底泥間隙水からの拡散により生ずること、間隙水中の燐酸態リンは底泥有機物の分解・溶存化による生成、泥粒子との吸脱着、拡散により生ずること、などの仮定が用いられた。
 本モデルは、西宮沖の底泥と間隙水より得られた試料をもとに定式化された各過程とパラメータにより組立てられた。対象とした泥層厚は、堆積速度、溶出に係わる有効泥深、底質鉛直分布などから60cmとし、これを7層に分けた。有機態リンの沈降速度と溶存酸素についてはメッシュモデルによる大阪湾全域の物質循環シミュレーション結果を利用した。
 0.1日のタイムステップで初期値の影響が現われなくなるまで計算を続け、底泥と間隙水のリンおよび溶出速度の西宮沖の現況値再現を試みた。全般的には妥当な結果が得られた。

全文 /PDF/vol023-no02-03.pdf