研究について

研究成果

水路における不規則波の再反射波の影響について

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0467 1983年09月
執筆者 谷本勝利、富田英治、村永努
所属 水工部 防波堤研究室
要旨

 本資料では、水路における不規則波の再反射波の影響がどのように現れるか、また多重反射系において定常状態となるまでにどの程度待てばよいか等の実験手法上の二・三の問題について理論計算によって検討した。
 理論は静水域への波の伝播に伴う非定常性を考慮したものであるが、1波内での波動諸元の関係は微小振幅定常理論に基づいた波別定常近似理論である。本研究の結果、以下の主要な結論を得た。
1)通過波に対する定常持ち時間は造波開始後有義波群速度の到達時間の2倍程度を考えればよい。
2)模型があるときには、造波板からの再反射波の影響によって入射波のスペクトルに振動が発生する。
3)模型の反射率が高い場合には、多重反射によって波高が著しく増大し、容易に定常状態とならない。
4)粗度が大きく長い水路では、底面や側壁の摩擦抵抗による波の減衰によって、再反射の影響が小さくなる。

全文 /PDF/no0467.pdf