研究について

研究成果

海域における物質循環数値モデルの水質支配要因について

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 022-03-06 1983年09月
執筆者 堀江毅、細川恭史
所属 海洋水理部 主任研究官
要旨

 本研究は、海域の富栄養化対策の一環として考えられる底質浄化事業による水質改善効果の予測手段となる物質循環モデルの水質支配要因について数値解析的に検討したものである。解析には2層および3層系で栄養塩、有機物および底質との物質循環を取扱ったモデルを適用し、大阪湾を対象海域としている。
 本検討の結果、栄養塩、有機物、溶存酸素などの平面分布は水平流れと恒流、境界濃度・交換率、拡散係数による寄与が大であること、鉛直流または鉛直混合の増大により層間の濃度差は小さくなるが上層での基礎生産が促進されて有機物濃度が上下層ともに大となること、沈降速度の濃度に対する影響が大きいこと、さらに3層モデルによって鉛直によって鉛直濃度分布をより詳しくかつ湾奥底層部での貧酸素状態が再現できることなどが明らかになった。

全文 /PDF/vol022-no03-06.pdf