研究について

研究成果

沿岸域におけるけん濁粒子の沈降速度測定法について-数種の測定法の比較-

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0433 1982年09月
執筆者 細川恭史、堀江毅、三好英一、加藤道康
所属 海洋水理部 主任研究官
要旨

 沿岸域-特に富栄養化した沿岸域-の有機的負荷のうち、粒状有機物の占める割合は大きい。海域での微細粒子状有機物の挙動を把握するには、その生成・供給とともに消滅についての理解が必要である。中でも沈降は最も重要な過程の一つであるが、確立された測定法はない。
 沈降速度は、種々の因子の影響を受けるが、現場海域での影響因子のすべてを室内実験で再現することは困難である。そこで、各種の測定法での求めた沈降速度値を現場測得値と比較し、測定法の比較を試みている。
 現場では補集筒を用いて測定し、表層浮遊けん濁物質に対し0.6m/d、舞い上り浮泥に対し3m/dの値を得た。一方、室内では粒度分布より算定する方法、各種沈降筒を用いる方法などにより沈降速度を測定した。けん濁粒子を独立・分散させた状態での沈降速度は現地測定値よりも過小な値となり、室内法としては粒子の衝突合一による凝集作用について考慮する必要があることが解った。

全文 /PDF/no0433.pdf