研究について

研究成果

塩水中におけるベントナイトのフロック形成について

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0421 1982年06月
執筆者 安立重昭
所属 機材部 主任研究官
要旨

 海域において濁りの原因となる土粒子は、フロックを形成し、個々の土粒子と異なった挙動をする。このため、ベントナイトを用いて、塩水中で形成されたフロックを顕微鏡下で観察することにより、塩水中において土粒子が凝集する条件、形成されたフロックの大きさ等を調べ、海域における土粒子の挙動に関する基礎的知見を得た。
 凝集が起こり、フロックが形成される塩分濃度は、濁質濃度が大きくなると大きくなり、実験の範囲では、ほぼ比例している。濁質濃度が同じ場合、塩分濃度の大きいほど、形成されたフロックの粒径は大きい。一方、塩分濃度が同じ場合、濁質濃度の大きいほど、形成されたフロックの粒径は小さいが最大粒径には早く達する。
 懸濁質の凝集の機構は、一般に、界面電気的理論により説明されている。このため、塩水中における土粒子の凝集の問題にこの理論を適用したが、実験値とかなり異なった。

全文 /PDF/no0421.pdf