研究について

研究成果

栄養塩溶出速度の温度・DO存在性について

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0405 1981年12月
執筆者 細川恭史、三好英一、堀江毅
所属 海洋水理部 主任研究官
要旨

 富栄養化した内湾域では、底泥からの栄養塩の溶出が水質に対し大きな影響をおよぼしている。舞い上がっていない底泥からの栄養塩の溶出速度は、温度・直上海水中の溶存酸素(DO)・底泥内含有栄養塩量・生物の作用などに左右され、季節的場所的に変化している。
 本論文は、まず栄養塩溶出速度を測定する意義を、富栄養化海域での栄養塩の中で示している。次いで、溶出速度の測定方法と精度について検討し、溶出度の温度・DO依存性について実験・検討をしている。その結果、温度が上昇するほどリンおよびアンモニアの溶出速度が増大すること、リンの溶出はDOに大きく依存と直上海水が嫌気化すると溶出速度が増大することが明らかになった。さらに、温度・DO依存性に対し、実験式を提供し溶出速度の変化を見積もれるようにした。また、溶出機構の解析を行い、温度・DOの依存現象の構造を把握し、今後の課題を明らかにした。

全文 /PDF/no0405.pdf