研究について

研究成果

同一組織の異なる吸水率(空隙率)を持つlime-cemented sandstonesの物理的性質とその相互関係

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0393 1981年09月
執筆者 中島忠男、轟達夫
所属 機材部 主任研究官
要旨

 岩盤浚渫における岩盤の諸性質と破砕性に関する研究の一環として、ブラジル国Suape港建設予定地区内のリーフ(砂岩礁)から採取された同一組織の異なる給水率を持つlime-cemented sandstonesに対し、物理的試験、弾性波試験および力学的試験を行い、その岩石における種々の物理的性質を定量的に調べるとともに、それら物理的性質の相互関係についても定性的に調べた。
 その結果、その物理的性質については、かさ比重は平均で2.30、吸水率は平均3.74%、弾性波伝播速度は平均で4350m/s、圧縮強度は平均で486kgf/cm2、圧裂引張強度は平均で49.8kgf/cm2、静的ヤング率は平均で5.17×10の5乗kgf/cm2、動的ヤング率は平均で4.64×10の5乗kgf/cm2、ポアソン比は平均で0.17、脆性度は平均で10.1であることなどを明らかにした。また、物理的性質の相互関係については、吸水率が大きくなるにつれて、つまり空隙が多くなるにつれて、かさ比重、弾性波伝播速度およびヤング率(静的ヤング率、動的ヤング率)はほぼ比較して減少すること、ならびに、かさ比重、弾性波伝播速度およびヤング率(静的ヤング率、動的ヤング率)が大きくなるにつれて、強度(圧縮強度、圧裂引張強度)は高くなる傾向にあることを明らかにした。

全文 /PDF/no0393.pdf