研究について

研究成果

けい留中の大型タンカーの衝突力

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 019-02-02 1980年06月
執筆者 上田茂、佐藤喜一
所属 構造部 海洋構造研究室
要旨

 けい留中の大型タンカーが、波や風の作用を受けて動揺し、ドルフィンに繰返し衝突する際の衝突力を理論的に求めた。また、現地観測を実施し、計算値と実測値との比較を行い、両者がよく一致することを確かめた。
 さらに、実測値を解析して、防舷材およびドルフィンの変形量と風波との関係について調べ、(1)風速が20m/s以下では、けい留船舶の衝突力には波の影響が大きく、とくに周期10秒以上の波に顕著であること、(2)けい留船舶はけい留系の固有周期が卓越する運動を行っていること、(3)けい留施設および防舷材の変形量の度数分布曲線はレーリー分布に従い、有義値と最大値との関係はほぼYmax=(1.5~1.6)Y1/3であること、(4)けい留中の船舶が動揺する場合の左右動(スウェイ)に対する仮想質量係数はほぼ1.7~2.0としてよいことなどが明らかになった。

全文 /PDF/vol019-no02-02.pdf