研究について

研究成果

砕波帯内諸現象の総合観測システムと観測例

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 017-01-02 1978年03月
執筆者 田中則男、小笹博昭、加藤一正、柳嶋慎一、小笠原昭、小山内英雄
所属 水工部 漂砂研究室
要旨

 砕波帯内における波浪、水面変動、海浜流および浮遊砂の濃度分布特性等の観測方法とこれらを総合しシステム化された現地観測の実施の方法に関して詳細に述べている。  また、これらの方法によって明らかにされた砕波帯内の波浪、海浜流、浮遊砂濃度分布の特性に関する2,3の問題が論じられている。すなわち、1)砕波帯内では低周波数成分への波のエネルギーの移行が生じ、沖波の増大と共に益々低周波成分へのエネルギーの蓄積が進む。2)砕波帯内における水面は数分程度の振動を間欠的にもつが、比較的発生位置の安定している離岸流も、この振動の間欠性とあわせて活発になり、あるいは消滅する。3)浮遊砂濃度は時間的、場所的な強い連続性を持つ現象であり、荒天後は波が静まってもしばらくは高レベルであったり、離岸流の中や、砕波の中で高く、トラフで低い等の傾向を持つ。

全文 /PDF/vol017-no01-02.pdf