研究について

研究成果

海中における鋼管矢板打込み時の振動測定

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0277 1977年09月
執筆者 上部達生、野田節男、千葉忠樹
所属 構造部 地震防災研究室
要旨

鋼管矢板式岸壁の建設現場において海中における杭の打込み振動の測定を実施した。測定結果を解析し、さらに杭の打込み振動が養生中のコンクリートの諸性質に及ぼす影響について検討を行なった。以下に明らかになった事項を列記する。 (1)杭打込みによる既設杭の振動は上下動成分よりも水平動成分が大きい。また、水平動で成分のうち振源方向に平行な成分の方が振源方向に直角な成分よりも大きい。 (2)振源方向平行の水平動成分の速度波形の卓越振動数は9Hz、上下動成分の速度波形の卓越振動数は水平動成分のそれとほぼ等しいかやや高くなっている。 (3)最大速度は振源距離とともに減少しており、とくに振源距離50m附近までの減少の割合が著しい。 (4)鉛直打継目を入念に処理し、型わくと鉄筋を既設部材に剛結などして鉄筋とコンクリートが一体となって振動するように設計、施工を実施すれば、養生中に杭の打込み振動を受けるコンクリートの各種強度に与える杭の打込み振動の影響は小さいものと考えられる。

全文 /PDF/no0277.pdf