研究について

研究成果

波浪観測記録による周期と波高の結合分布の解析

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0272 1977年09月
執筆者 合田良実
所属 海洋水理部 波浪研究室
要旨

波群中の周期と波高の結合分布は、不規則波の波力や越波などの現象に影響を及ぼす。このため、波浪観測記録89例の解析を行ない、Longuet-Higginsの理論と比較した。観測データは波高と周期の相関係数をパラーメーターとして5グループに分類し、周期比の累積度数表および周期比・波高比の累積相関表として取りまとめた。
 Longuet-Higginsの理論は、狭帯域スペクトルの仮定が満足される場合には周期分布を適切に表示することが、数値シミュレーション波形の解析によって確認される。また、海の波でも波高と周期の相関係数が低い場合には比較的良く適合するが、相関係数が高くなるとずれを生じるようになる。しかし、結合分布のうちの波高比の大きな範囲については部分的に適合が可能である。その際は、スペクトルの帯域幅のパラメーターを周期の分布に合せて設定することが必要である。

全文 /PDF/no0272.pdf