研究について

研究成果

波浪の統計的変動性に関する数値実験

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 016-02-01 1977年06月
執筆者 合田良実
所属 海洋水理部 波浪研究室
要旨

 有義波高や有義波周期など観測によって得られた波浪の統計量は、波の不規則性に起因する統計的変動性を伴っており、真の値の回りにばらついてる一つの標本値と考えられる。この変動性を検討するため、光易型方向スペクトルを持つ波の波形を線型シミュレーションによって作成し、各種の統計量を解析した。波形は有義波周期の1/10でサンプリングし、データ個数を125,250,500,および1000と変化させた。
 波浪の統計量は、その標準偏差が波数の-1/2乗に比例するものが大半である。波数100の記録の有義波は波高で約6%、周期で約4%の標準偏差を示し、他の代表波の諸元はさらに大きな変動性を示す。また、波形の標準偏差の変動性は有義波高よりも僅かながら小さい。
 現地波浪の変動性は、若干のデータの統計解析によればシミュレーションの結果よりも大きいようである。

全文 /PDF/vol016-no02-01.pdf