研究について

研究成果

光易型方向スペクトルによる不規則波の屈折・回折計算

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0230 1975年12月
執筆者 合田良実、鈴木康正
所属 海洋水理部 波浪研究室
要旨

 海の波のエネルギーの方向別分布を表わす方向関数について、光易が多数の観測結果をもとに新しい関数を提案した。これは、現在のところ最も信頼性の高いものであろうと思われる。ところが、光易の方向関数は海上10m風速U10をパラメーターに持っているために、そのままでは使いにくい。そこでU10を集中度パラメーターの最大値Smaxでおきかえ、このSmaxと沖波の波形勾配との関係を求めることによって実用的なものとした。また、代表的な波として風波およびうねりに対するSmaxの標準的な値を提案した。
 次に、この光易型方向スペクトルを持つ波の屈折計算を行なった。まず平行直線状等深線海岸では、成分波の重ね合わせ法によって計算し、卓越波向および屈折係数の推定図を求めた。また、複雑な海底地形の海岸にはエネルギー平衡方程式による解法を適用し、その有効性を確かめた。
 さらに、Smax=10および75の波について、半無限堤と開口防波堤の回折図を計算した。また現地防波堤に関する回折計算例を示し、観測データと比較した。

全文 /PDF/no0230.pdf