研究について

研究成果

海水に浸漬したコンクリートのアクに関する実験的研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 014-04-04 1975年12月
執筆者 関博、善一章、阿部正美、藤澤孝夫
所属 構造部 材料施工研究室
要旨

 海水コンクリート供試体を浸漬して、コンクリート表層から溶出する各種イオンによる海水のpH変化、CaOやSO3の溶出量などに関し検討した。実験要因は、セメントの種類、水セメント比、供試体脱型後浸漬までの空気中暴露期間、海水容量と供試体表面積の割合などである。
 試験結果によると、一般に普通ポルトランドセメント、A種高炉セメント、B種高炉セメントの順に浸漬海水のpHは小さくなる。水セメント比の小さなコンクリートではpHの上昇は早いが、45~62%の範囲ではpHの最大値に大きな相違は認められない。空気中に暴露する期間の相違がpHに及ぼす影響は、コンクリート使用材料や配合におけるよりも大きい。コンクリート単位表面積当りの海水容積が8。9cc/cm2では、pHの最大値は8.0(海水毎日交換)程度であって、海水の大容量となるとほとんどpH変化に寄与しない。

全文 /PDF/vol014-no04-04.pdf