研究について

研究成果

東京湾の潮流による物質拡散の水理模型実験

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 013-03-01 1974年09月
執筆者 金子安雄、堀江毅、村上和男、亀山豊
所属 海洋水理部 海水汚染水理研究室
要旨

 東京湾内における沿岸埋立、湾口航路開削、横断道路架橋等各種プロジェクトの実施が、湾内潮流および汚濁物質の拡散におよぼす影響を水理模型により実験的に検討したものである。
 実験模型は東京湾全域を平面1/2000、垂直1/100の両縮尺で再現し、潮汐現象を与えて潮流現象を発生させている。拡散現象は、潮流の流動に基く水平乱流拡散を主体とし、汚染トレサーは螢光染料(ローダミンB)を用い、潮流による拡散を扱っている。
 この実験から、湾内潮流は、沿岸埋立造成による影響は少なく、横断道路架橋も局部的に増速は生ずるが、湾内潮流を阻害する傾向は生じない。汚染物質の拡散は湾内潮流の流動に対応し、長時間後の濃度分布は湾内恒流に支配されている。横断道路架橋後の拡散パターンも一部水域で若干濃度上昇を生ずるが、むしろ拡散を促進する傾向が把握された。

全文 /PDF/vol013-no03-01.pdf